【福祉車両の意外な盲点】
皆さんは、お使いになられている福祉車両に「何か」が起きた時、どこに整備や修理を依頼しますか?
具体的な「何か」とは
・福祉車両のリフトが動かなくなった
・福祉車両をぶつけてしまって架装装置が歪んだ
・福祉車両の架装装置が正常に作動しない
・福祉車両のスロープが落ちた
様々な「何か」はいつでも、どこでも起きています。
そこで知ってほしい事は、福祉車両の整備や修理はどこの自動車屋さんでも出来るわけではないと言う事。
自転車の専門店や、パスタの専門店がある様に福祉車両にも専門店は存在します。
福祉車両の「車両」に関しては自動車屋さんでも整備や修理は可能ですが、福祉車両の「福祉」の装置に関しては専門の知識が無いと整備や修理どころか点検も難しい場合があります。
お困りになる前に実際の具体例や対策を解説していきます。
福祉車両の装置と種類
福祉車両には様々な種類の装置があります。
車いすに乗ったままリフトを使って車に乗れる福祉車両
車いすに乗ったままスロープを使って車に乗れる福祉車両
車のシートが電動で昇降し車への乗り降りをサポートする福祉車両
車のシートが電動で回転し車への乗り降りをサポートする福祉車両
車いすを固定する装置
足が不自由な方が両手を使って運転できる福祉車両
車いすを昇降させる装置が付いている福祉車両
まだまだ多くの福祉車両の装置がありますが、ここで伝えたい事はどの装置にも「何か」が起こる事がある事です。
冒頭から記載した「何か」=「トラブル」の意味合いですが、そのトラブルは点検を行う事で未然に防ぐ事が出来ます。
福祉車両の点検
当社に来店やご連絡をされる方の多くは「壊れたから直してほしい」とご相談をいただきます。
中には車検や点検後に「リフトが止まった」なんて事も。
そもそもの話ですが福祉車両の知識有り無しに関わらず点検は義務です。
そして、もしもの時に誰が困るかの話になります。
福祉車両のトラブル
点検の不履行で起こる実際のトラブルを想像してください。
例えば80歳の車いすユーザーとハイエースやキャラバンの昇降リフトが付いた福祉車両でお出かけしようとします。
しかし、リフトが上昇している途中で止まってしまった。
・外は炎天下、気温は40℃近い状況下。
・降ろしたいけどリフトは動かず、本人も立つことが出来ない。
・車のエアコンをつけても車の外側にいる為、涼むことが出来ない。
・ロードサービスを呼んでも30分以上待つことになる。
想像しただけでも過酷な状況であることは間違いありません。
きちんと点検をしていれば、正直なところ防止できる事が多々あります。
福祉車両ハイエースの緊急回避
昇降リフトが途中で止まってしまった際の緊急回避と、車いす固定装置が外れなくなった際の緊急回避動画です。
トラブル防止
福祉車両のトラブルは故障する前に何かの前兆がある場合があります。
具体的にリフト車ですと
・リフトの動きが遅い
・リフトが車内に入る時にギクシャクする
・異音がする
・車いす固定装置のワイヤーがほつれている等
スロープ車ですと
・スロープの開きが悪い
・地面にスロープが着地しない
・スロープが歪んでいる等
装置が使えるか使えないかもありますが、実際に装置を使う方の事を考えても早急の処置が必要となります。
諸症状であれば部分的な部品交換で修理が出来ますが、それを放置してしまうと部分が全体となり、かなりの高額修理となってしまいます。
少しでも違和感を感じる事がありましたら、実際に装置を必要とされる方の為にも早急に点検をお願いします。
点検はどこで出来るか
「福祉車両の専門店」が年々増加傾向にあります。
ただ、その専門店に「本物の専門店」はどれ位あるのでしょうか。
看板には「専門」や「福祉車両」と書いていても、実際には福祉車両の修理や整備が出来ない店舗があるかも知れません。
点検の内容も「たった1回の操作確認だけ」なんて事も実際に起こっています。
また、福祉車両の車いすに関わる部品の交換や整備は、消費税がかからない「非課税対象」である事も知らずに、消費税も請求する店舗も存在します。
「福祉車両専門店」=「点検が出来る店」とは限らないので、事前にホームページや電話で確認してください。
福祉車両専門店の確認
まずは問い合わせてみましょう。
電話やメールだけでも「ちょっとした返答」で動かなかった装置が動くようになったりします。
その返答だけでも十分な確認になるかと思います。
次にホームページや口コミを見てみましょう。
その店を選んだ理由「お客様の声」を見て判断してもよろしいかと思います。
福祉車両は専門的な知識が必要不可欠。
慎重にお店選びをして下さい。