【ハイエースの福祉車両化】
ハイエースの福祉車両はトヨタからメーカー純正の福祉車両として車いす移動車の「ウェルキャブ」が存在します。
画像は「トヨタ・ハイエース・ウェルキャブ・Bタイプ」と呼ばれるメーカー純正の福祉車両です。
このタイプは車いすが2基、電動&油圧でリフトが昇降する福祉車両の定番と呼べるモデルです。
室内はゆったり10人乗れる広々とした空間です。
まさに福祉車両の代名詞とも呼べるハイエースのウェルキャブ。
ただ、本当に伝えたい事はウェルキャブのハイエースではなく、ノーマルルーフのハイエースも改造をすればウェルキャブに劣らぬ、更に自由度の高い福祉車両になる事。
このページでは標準ボディーのハイエースが、車いす仕様の福祉車両に改造されて行く光景をご紹介します。
自分の使い方に合わせた福祉車両をお考えの方
必見です。
ハイエースを自分仕様の福祉車両に
福祉車両のハイエースと見た目で先ず違うと感じるところ。
車いすのマークがある無いの違いもありますが、福祉車両のハイエースと比べて屋根が低いと思いませんか?
諸元で確認できる数値ではハイエースのS-GLは全高1980mm、ハイエースの福祉車両は全高2225mm。
その差は20cm以上あります。
それ故に、施設や駐車場に入れるか否かの選択が生まれます。
気をつけるべきは立体駐車場と地下駐車場。
よく観ると「高さ制限2.1m」の文字を地域によりますが、よく見かけます。
要するに福祉車両のハイエースでは「ぶつかってしまうので入れない」
ならば車高を下げれば?と考える方も多いと思いますが、実は福祉車両のハイエースには精密に制御された昇降リフトが付いているので、むやみやたらに車高を下げてしまうとリフトが自分の位置を見失って故障する事があります。
福祉車両のハイエースが欲しいけど自分のニーズに合っていない。
行きたい所、通わなければならない所に既存の福祉車両のハイエースでは入れない。
そこで、利便性と実用性を兼ね備えた福祉車両のハイエースを改造して作りましょうと言うお話です。
ハイエースのフロア
ハイエースを福祉車両に改造するにあたり、先ずはフロアの加工から。
車いすが出入りできて、車いすを固定する装置を付けなければいけません。
昇降リフトはその後に装着します。
「真っ平らなフロア、そしてモフモフなフロア」一見とても魅力的なフロアですが車いすを利用する上ではアウトです。
先ずは純正フロアを全て剥がします。
フロア加工
表面のフロアを剥がすと画像のような状態になります。
ただ、中央部分に今回の改造にはお邪魔となる黒い物体が多く残ってしまっているので剥がしていきます。
綺麗に剥がれました。
この上に新しいフロアを貼るのですが、見えなくなる部分だからと道具や溶剤で傷をつけるのは如何なものかと思っています。
細部にわたって拘りを持つことこそ「その道のプロ」だとBRAVE BOAR株式会社は考えております。
大半の方が自分の大事な車に、自分で傷をつける事はしないはずです。
我々は「お客様の大切なお車をお預かりしている」事を決して忘れません。
ハイエースに新たなフロア
それでは実際に新しいフロアを装着していきます。
細かく採寸してmm単位のズレも許されません。
水平なフロアにする為に工夫して加工します。
車いす用の昇降リフトを取り付ける為の加工も今のうちに施工します。
下準備が完了したらアルミ製のフロアを貼っていきます。
ハイエースのフロアが生まれ変わりまた。
フロアをひと工夫
好みが分かれますが、筆者はこの状態(アルミの質感)が好きです。
トランポなら良いかも知れませんが、今回は車いす仕様の福祉車両に改造するので車いすの稼働を最優先に考えてフロアマットを貼ります。
耐久性と撥水性のあるフロアマットをご用意しました。
レールとレールの間を一枚ずつ丁寧に貼っていきます。
見違えました。
このに施工よりレールとの小さな段差もだいぶ無くなり、車いすをご利用になる方にとっては好条件のフロアとなりました。
この段差は健常者にとっては些細な事かも知れませんが、車いす利用者にとっては「落とし穴」の様な罠とも言える部分です。
「福祉車両への改造」はしっかりとお使いになられる方の状況を把握しなければなりません。
正直「改造が出来るか、出来ないか」よりも、実際にお使いになられる方々が「使えるか、使えないか」が重要になります。
なので「改造が出来るお店選び」も大事ですが「相談が出来るお店選び」も重視してください。
新スタイル福祉車両の保安基準
この先は次の記事に書かせていただきますが少しだけ余談を。
車検に適合した改造なのか?
答えは「車検に適合した改造」です。
車いす移動車としてのナンバー登録、乗車定員の変更に伴う各種変更や申請の認可、各部が保安基準を満たした改造なので全然問題ありません。
「改造」とは装着できる部品を何でも付けて良い訳ではありません。
勿論シートもフロアも基準があります。
例え安価であっても車検に通らない改造、すなわち違法改造は決して行ってはいけません。
なぜフロアを加工する必要があったのか?
それは車いす仕様の福祉車両にする為、それだけです。
実際に既存の福祉車両をお使いになられている方は感じたことがあるかも知れませんが、車いすの固定装置は必ず決まった場所でしか使えないが故に、自由に席の位置を選べないのです。
スムーズに車への出入りが出来る様にはなっていますが実際の満足度は違うと感じています。
このフロアを使えば車いすの固定に自由が生まれ、このフロアの範囲内であれば右に左に、前に後ろにと自由なポジションを選ぶことが出来ます。
ハイエース・フロア加工動画
皆さん、通い慣れた道で毎回歩道側の同じ景色を観ていたら、車道側の景色もたまには観たいのではないでしょうか。
今、福祉車両への改造や福祉車両の購入をお考えの方がいらしたら少しだけ考えて下さい。
誰が、誰の、何の為に、どんな装置の、どの様な車両を選ぶのか。
今一度考えてみて下さい。
ハイエースの福祉車両改造完結へ
続きはこちらから