【車いす移動車に改造】
福祉車両の種類は回転シートやスロープタイプなど実に様々。
既存の福祉車両の場合ですと、主に車への乗降車を補助する為の装置が付いた福祉車両、特に送迎で使われている昇降リフトが付いたトヨタのハイエースやニッサンのNV350などの車いす移動車が街中のあちこちで多く見られます。
今回ご紹介する車いす移動車への改造事例は、標準ルーフのハイエースに車いすに乗ったまま乗降が可能になる昇降リフトを取り付け、車いす固定装置と車いすの方用のシートベルトを装備し、左右のスライドドアを活かして介助がしやすい構造にと、まさに今までの福祉車両の使い勝手を更に向上させた、全く新しい仕様の福祉車両を、ハイエースを改造してつくったお話となります。
トヨタ・ハイエース
もはや何の説明もいらない、それくらい皆さんが認知しているトヨタのハイエース。
そのスタイル、そのスペック、そして室内の広さから遊びや仕事、送迎や趣味など様々な用途で活躍しています。
余談ですが、車体の大きさのわりに他のミニバンよりも小回りがきくんです。
それでは本題へ。
福祉車両のハイエース
ハイエースにはメーカー純正の福祉車両として新車時から設定されています。
ウェルキャブと呼ばれ、意味合いとしてはウェルをWelfare(福祉)キャブをCabin(客室)、ウェルファーレとキャビンで「ウェルキャブ」とされ、トヨタの福祉車両の呼び方の1つでもあります。
画像のモデルは「車いす2基積み」とも呼ばれ、ハイルーフならではの広々とした室内空間が十二分に活かされて多くの事業所、介護施設で利用される最もポピュラーな福祉車両となります。
ここで問題です。
Q・ハイエースの車いす移動車ならこのハイエースを買えば良いじゃないか?
A・仰る通りです!
確かに車種がハイエースで車いすに乗ったまま乗降車できる車いす移動車なら、それが答えかも知れません。
ただ、答えを出すのは福祉車両に改造したハイエースをご覧になってからでも遅くはないのでご紹介だけでもさせて下さい。
福祉車両に改造
こちらが福祉車両(車いす移動車)に改造したハイエース。
電動の昇降リフトで車いすに乗ったまま乗降車が可能で、室内には車いす固定装置そして車いすの方用のシートベルトが備わっています。
フロアは車いすの出入りを考慮した専用の床に。
詳細はこちらから。
昇降リフト
電動で昇降するリフトを取り付けています。
見た目的にはウェルキャブの昇降リフトと変わらないかも知れませんが、実は展開の方法に大きな違いがあります。
ゲートを開けると画像の様に収まっています。
展開して床になります。
電動で昇降します。
そして横にも開きます。
このハイエースの利用方法にもよりますが、この横開きはアルとわりと便利なんです。
この横開きはウェルキャブには備わっていません。
※ウェルキャブのリフトは全自動、画像のリフトは半自動となります。
スライドドア
ウェルキャブには備わっていない機能の1つ運転席側のスライドドア。
福祉車両のハイエースは助手席側のスライドドアのみとなるので、自由度の高さが断然変わってきます。
運転席側のスライドドアからは健常者が乗降車して、助手席側のスライドドアからは介助や介護目的で出入りする為にと用途は自由です。
このレイアウトですと運転席側に3人、助手席側に車いすの方が2人となります。
実際にご利用になられる方に合わせてシートレイアウトは変更が可能です。
フロア
耐久性、耐火性、防水性に優れたフロアにしています。
ただ、このフロアにする目的は上記の事以外に1つ。
それは車いすに乗られている方、車いすの方を介助する方がスムーズに動ける様にする為です。
ハイエース本来のフロアは絨毯の様になっています。
これではスムーズな動きは難しいかと。
実際にご利用になられる方が安全且つスムーズに動ける様にフロアの加工を行います。
福祉車両の選択肢
正直なところ福祉車両の選択に正解があるとするならば、それは「利用される方に合った装置が付いていて、実際にその装置が使えるか」。
誰が何の目的で、誰の為にその車両を必要とするのか、それが合致すればどの選択も正解となります。
福祉車両を購入する、福祉車両に改造する。
「お得」とか関係なしにどちらの選択もです。
人は早まったり、焦ったり、得を求める事で冷静さを失い、故に判断を鈍らせる事があります。
なので些細な事でも構いませんので、まずはご相談ください。
必要とされる方の為に本当に必要な事をご提案させていただきます。
心よりお待ちしております。