【車いすで乗れる福祉車両】
福祉車両にはメーカー純正で車いすリフトの福祉車両やスロープの福祉車両が存在しています。
トヨタからはハイエースやノア、ヴォクシーやシエンタ等が、日産からはキャラバンとセレナが代表格となり、ホンダからはステップワゴンとフリードが、車いすに乗ったまま乗降車が可能となる福祉車両としてラインナップされています。軽自動車や以前のモデルも含めると他にもたくさんメーカー純正福祉車両は存在します。
選択できる車種が多くメーカーごとに異なる乗降を補助する福祉装置ですが、駐車場の事情や介助が必要な方の状態、家族構成によっては既存の福祉車両ですと用途に合わない場合もあります。
そこで今回は理想と現実、用途と使い勝手の合わせ技で、他に類を見ない車いすで乗れる車いすリフトの福祉車両に改造した事例をご紹介します。
エスクァイア
トヨタの80系ノア、VOXYの兄弟車であるエスクァイア。
最上級な高級感で魅了するも惜しくも生産終了となったモデルです。
このエスクァイアを車いすに乗ったまま乗車可能な福祉車両に改造します。
車いすリフトのエスクァイア
和光工業のWAKOリフトを後付け改造して、車いすに乗ったまま乗車が可能な福祉車両になりました。
耐荷重350kgのWAKOリフトはボタン操作で電動による昇降が可能です。
昇降が電動、出入りと格納が手動の半自動タイプのリフトとなります。
車いすリフトの改造事例や使い方はこちらから
車いすの乗車
平な車いす専用フロアを作り、稼働と強固さを両立させました。
絨毯のような引っかかりも無いのでスムーズに車いすの固定位置に移動できます。
床が強固なのでしっかりと車いすを固定できます。
この乗車パターンでの最大乗車人数は7名となります。
さらに車いすで乗車
車いす2名分の車いす専用フロアと固定設備を設けているので、最後部の位置に車いすに乗ったまま乗車が可能です。
各車いすがリクライニング可能なスペースも確保されています。
この乗車パターンでの最大乗車人数は5名となります。
家族で乗るための仕様
3列目のシートが使える事により乗車人数3名分を確保できました。
リクライニング機能を損なわず、家族で総出でお出かけが可能な仕様です。
プラスアルファの使い勝手
画像の通り手動で横に開きます。
荷物の収納、3列目シートの展開、車いすの固定と三段構えの使い勝手向上となります。
後部の車いすの固定&シートベルトの着用が圧倒的に楽になります。
保安基準と認証工場
リフトを取り付ける上で幾つかの懸念が生まれます。
難しい話になりますのでざっくり説明すると、後付けする装置がどの様に取り付けられるのか、指定部品なのか否か、車検には通るのかです。
今回は乗車定員の変更もあり、事実上の構造変更検査が必然となります。
保安基準も大切ですが人の命を乗せて走る乗り物だからこそ、我々の様な認証を受けた工場は日々尽力して最善を尽くしています。
必要な車だからこそ
福祉装置が付くか付かないかは大切ですが、それ以上に付けた福祉装置が使えるか否かが大切となります。
「使えなければ意味がない」私どもはその様に思っています。
この様な事態を無くすにはヒアリングと提案力が必要であり、これが無ければ体の不自由な方に装置を売るだけのお店になってしまいます。
例えばの話ですが
今乗っている車は買ったばかりのエスクァイアで家族は6人、そのうち車いすが必要な方は2人。
スロープを広げられる駐車場スペースが無いからリフトを後付けしたい。
恐らく大半のお店は一つ提案をします。
それは車を買い替えること。
決して間違いではありませんが、この内容に隠れている意の汲み取りが出来るならば他の提案も可能となります。
私どもはかゆいところに手が届くご提案をさせていただきたく、たくさんお話を聞いてしまいます。
なのでたくさんお聞かせください。ご相談お待ちしております。