【車いす×福祉車両】
福祉車両にはメーカー純正で車いすリフトの福祉車両やスロープの福祉車両が存在しています。
普通車ですと日産からはキャラバンとセレナが、トヨタからはハイエースやノア、ヴォクシーやシエンタ等が代表格となり、ホンダからはステップワゴンとフリードが、車いすに乗ったまま車への乗り降りが可能となる福祉車両としてラインナップされています。
軽自動車や以前のモデルも含めると他にもたくさんメーカー純正福祉車両は存在します。
選択できる車種が多くメーカーごとに異なる乗降を補助する福祉装置ですが、駐車場の事情や介助が必要な方の状態、家族構成によっては既存の福祉車両ですと用途に合わない場合もあります。
そこで今回は他に類を見ない車いすで乗れる車いすリフトの福祉車両に改造した事例をご紹介します。
日産・セレナ

C26・セレナ
ミニバンの代表格ともいえる日産セレナ。

ハイブリッド・ハイウェイスター
モデルチェンジ前後問わず今もなお人気の多様性ミニバン。
今回はこのC26セレナを車いすリフトの福祉車両に改造します。
車いすリフトのセレナ

WAKOリフト・KEYシリーズ
和光工業のWAKOリフトを後付け改造して、車いすに乗ったまま乗車が可能な福祉車両になりました。

昇降耐荷重350kg
耐荷重350kgのWAKOリフトはボタン操作で電動による昇降が可能です。

セレナ×車いすリフト
昇降が電動、出入りと格納が手動の半自動タイプのリフトとなります。
車いすリフトの改造事例や使い方はこちらから
車いすで乗車

車いす用フロア
平な車いす専用フロアを作り、稼働と強固さを両立させました。

車いす固定スペース
絨毯のような引っかかりも無いのでスムーズに車いすの固定位置に移動できます。

車いす用シートベルト
床が強固なのでしっかりと車いすを固定できます。
本来8人乗りのセレナでしたが、この改造で乗車できる最大乗車人数は7名となります。
家族で乗るための仕様
3列目のシートが使える事により乗車人数3名分を確保できました。
家族でお出かけが可能な仕様です。
プラスアルファの使い勝手

横開きスタイル
画像の通り手動で横に開きます。
荷物の収納、3列目シートの展開など、今までと同じように後ろから可能です。
保安基準と認証工場
リフトを取り付ける上で幾つかの懸念が生まれます。
難しい話になりますのでざっくり説明すると、後付けする装置がどの様に取り付けられるのか、指定部品なのか否か、車検には通るのかです。
今回は乗車定員の変更もあり、事実上構造変更検査が必然となります。
保安基準も大切ですが人の命を乗せて走る乗り物だからこそ、我々の様な認証を受けた工場は日々尽力して最善を尽くしています。
必要とされる福祉車両

セレナ×福祉車両改造
福祉装置が付くか付かないかは大切ですが、それ以上に付けた福祉装置が使えるか否かが大切となります。
「使えなければ意味がない」
私どもはその様に思っています。
この様な事態を無くすにはヒアリングと提案力が必要であり、これが無ければ体の不自由な方に装置を売るだけのお店になってしまいます。
例えばの話ですが今乗っている車はセレナ。
介助者の負担軽減にスロープかリフトを付けたい。
しかし後付けできるスロープだと車いすを乗せるためのスペースを後ろ側に3m空ける必要がある。
それだとスロープを広げられる駐車場のスペースが無いから困る。
恐らく大半のお店は純正の福祉車両に買い替える事を提案をします。
純正のスロープ車であれば、リアゲートが開閉できる空間とスロープが展開できる平坦な地面、そして車いすと介助者分のスペースがあれば乗降車はできます。
余談ですが、特定の年式のセレナには純正の福祉車両として車いすリフトが付いているタイプも存在します。
乗り換えは決して間違いではありませんが、選択肢は他にもあります。
私どもはかゆいところに手が届くご提案をさせていただきたく、たくさんお話を聞いてしまいます。
なのでたくさんお聞かせください。ご相談お待ちしております。