【ハイエースの福祉車両改造】
ハイエースにはメーカー純正福祉車両の「トヨタ・ウェルキャブ」が存在しており、新車中古車問わず販売されています。
車いすやストレッチャーを乗せることに活躍の場を留めず、施設やホームステイなどの送迎車としても様々な場面で大活躍している広々空間の働く車です。
そんな優等生な福祉車両のハイエースですが、内外装や片側のスライドドア、グレードの選択肢などが限られている為、I Love ハイエーサーの方からすると「同じハイエースなのに・・・」となるみたいです。
そこで今回は福祉車両の設定がないグレードのハイエースに車いす用昇降リフトを取り付けて、車いす移動車と呼ばれる8ナンバーの福祉車両に改造した事例をお届けします。
ワイドなハイエース
ダークプライムの見た目でわかるワイドなハイエース。
こりゃアカン・・圧巻の存在感です。
車内は想像の斜め上を行く空間が広がります。
このハイエースに車いす用の昇降リフトを取り付けます。
車いす昇降リフト
電動で昇降するリフトを取り付けて車いすに乗ったまま乗降車が可能な福祉車両に改造しました。
半自動型のリフトと呼ばれ、昇降は電動にて行い、車内への出入りは介助者のアシストもしくは車いすの方が自走で行うものとなります。
格納時はこの高さになるので、後方の視界を遮られずミラーや目視で後方の確認が行えます。
展開時は後方以外にも可能で、画像のように横開きも可能です。
後から荷物を積んだり、車いすの方をサポートする際にも非常に有効な仕様となります。
昇降能力は350kgまで対応しており、純正福祉車両が200から250kgの昇降能力と比較しても、これまた斜め上を行っています。
昇降能力が高い事で重量級の電動車いすも適応します。
リフトの詳細はこちらから。
車いすスペース
車いすの占有スペースには車いすの固定具と車いすの方用のシートベルトが備わっています。
車いすの稼働がし易いフロアも備えています。
車いすの方の身体の状態に合わせて車いすが大きくも小さくもなる事を想定して、その都度固定できる場所が変更できるように配慮しています。
車いす移動車の定義である車いす占有スペースと必要とされる装備がこの仕様ですと余裕で確保できるので、車検に対応した8ナンバーの車いす移動車として公道を走行する事が可能です。
構造変更要件
管轄の陸運局にて手続きを行う事で1ナンバーの車両や4ナンバーの車両も8ナンバーの車いす移動車として登録が可能です。
必要とされる改造、必要とされる書類、必要とされる規定が備わり検査の合格を経て、車検証が発行されます。
ただ、ここでもっとも必要になる要件とは「その車が誰の何の為の車なのか」と言う事です。
車いす移動車は車検の期間を長引かせたり、税金を安くする為の手段ではなく、その車のその装置を必要としている人がいるからこそ存在する特種用途自動車です。
福祉車両とは何か、車いす移動車とは何かを考えれば自ずと答えは見えてきます。
ブレイブボアは福祉車両を本当に必要とされている人だけに日々励んでいます。