【福祉車両が必要な生活】
日常生活において突発的な事や些細な事により、車いすでの生活が始まる事があります。
故に、これまでと違う生活環境が必要となり、今までと違う生活環境の代表格に住宅や自動車が挙がります。
住宅の場合ですと増改築やリフォームなどの方法で環境を変える選択肢になりますが、自動車も福祉車両への買い替えや今お乗りの車を福祉車両に改造する選択肢が住宅と同様にあります。
今回は突発的に車いすでの生活が始まり、今まで家族と乗っていたミニバンを車いすで乗れる福祉車両のミニバンに改造した事例をご紹介します。
車いすリフトの福祉車両に改造
トヨタの80ノア・ハイブリッドに昇降リフトを後付け改造して、車いすのまま乗降車できるミニバンの福祉車両に改造しました。
昇降リフトは株式会社ラックスのムービングリフター・ライラックとなります。
乗車人数は助手席の後ろ側二列目シートを撤去して、その場所を車いすの占有スペースとしています。
車検証には車いす固定装置の記載が入り、元々7人乗りの乗車定員は変わらず7人と車検証に記載されます。
この車検証の記載変更を行う事で、国土交通省に認可された車両となります。
昇降リフトの動き
格納状態から手動で展開、格納を操作する半自動タイプのリフトとなります。
二つ折りのプラットホーム(車いすが乗る床)を出したら昇降はリモコンを操作して電動で動きます。
地面まで降ろしたら車いすを乗せる工程となります。
プラットホームに車いすを乗せて車いすのブレーキをかけておきます。
リモコンを操作してリフトを上昇させます。
最上部に着いたら車いすの後部もしくは前側から、車いすの占有スペースまで車いすをエスコートします。
硬く平なフロアになっているので、車いすのエスコートが従来の自動車のフロアと比較すると格段に容易となります。
最後に車いすを固定したら、安全運転でお出かけです。
乗車パターン
車いすの固定が終わったら何人乗車するかにもよりますが、後部座席のシートを準備します。
この状態ですと車いすの方含めて最大の7人が乗車可能です。
三列目シートを左右とも上げると乗車人数は4人となります。
サイズにもよりますが、この状態ですとストレッチャー(担架式)で乗車が可能となります。
片側だけ三列目シートを使うことも可能です。
その日の気分で右側左側の乗車位置が選べる事ができますが、何より介助者がどの位置で介助するかを念頭においていただければと思います。
福祉車両のある生活
福祉車両が必要となる場合のお話ですが、病気や怪我で一時的に必要な方は正直レンタカーもしくは介護タクシーの利用をお勧めします。
永続的に車いすの生活で、自宅に広めの駐車場があり、日頃から行く病院や学校に広めの優先スペースがある場合ですとスロープの福祉車両かリフトの福祉車両かの選択肢があり、メーカー純正の福祉車両か今乗っている車を福祉車両に改造するかの選択肢があります。
悩ましいところですが、最も優先すべきことは車いすの方を安全に乗降車させる事ができるか否かの一言になります。
現実的に上記のような介護車両とされる福祉車両に乗降する際は、介助者のエスコートが必要不可欠です。
その介助者が安全に車いすをエスコートして安全に運転ができる車こそ優先すべき選択となります。
選択を迫られた時に何をすべきか、その時は私共がご相談にのります。
見えない安心と安全は身近にありますので。