【輸入車を福祉車両に改造】
日本では福祉車両が各自動車メーカーから販売されており、新車・中古車問わず用途や使い勝手に合わせた福祉車両を購入することができます。
しかし海外の自動車には「メーカー純正福祉車両」の概念はなく、「乗りたい車」や「持っている車」を福祉車両に改造する「日本とは違う福祉車両の文化」があります。
そこで今回は、乗りたい輸入車を「車いすに乗ったまま乗降できる福祉車両」に改造した事例をご紹介します。
メルセデスベンツ・Vクラス・アンビエンテ

V350・アンビエンテ
こちらの輸入車を車いすリフトの福祉車両に改造します。

V350・アンビエンテ
このモデルは運転席と助手席、2列目シートに2名、3列目シートに3名の計7名乗車です。
今回は3列目シートを撤去してそのスペースを車いす専用スペースとし、車いす含め計5名乗車の車いす移動車に改造します。
V350×車いすリフト

V350・車いすリフト
V350に和光工業のWAKOリフトを取り付けて車いすで乗れる福祉車両に改造しました。
こちらの半自動リフト「KEYシリーズ」は様々な車種に取り付けが可能です。
他車種の車いすリフト等はこちらから

V350・車いすリフト
このリフトは上昇と下降が電動となります。

V350・車いすリフト
こちらのスイッチで上昇・下降の操作を行います。

V350・車いすリフト
プラットフォームの展開、格納は手動操作となります。

V350・車いすリフト
荷物の収納に便利な横開きが可能です。
車内に車いす

車いす×V350
車いす専用シートベルトと車いす固定具を設けて、車いす専用スペースとしています。

車いす×V350
2列目シートを十分すぎるほど後方に下げても車いすスペースに余裕があります。

車いす×V350
画像のような車いす以外にも電動車いすの他に、2列目シートの左右どちらかを前方に出す事でストレッチャーも入れる仕様となります。
この仕様で構造変更検査を行い、8ナンバーの車いす移動車として公認を受けました。
車いすで乗る福祉車両

V350×車いすリフト
車いすに乗ったまま車に乗れる福祉車両には主に「リフトのタイプ」と「スロープのタイプ」があります。
どちらも「車いすで乗れる福祉車両」ですがこれだけは知っておいてほしい事があります。

V350×車いすリフト
駐車場のお話になりますが、最近の大型ショッピングモールや病院、サービスエリアですとリフトやスロープでも乗降できるような配慮がされています。
しかし、その配慮がされていない駐車場ですと車の左右にしか乗車スペースがなく、車の後方から乗降するようなリフトやスロープの福祉車両ですと駐車の仕方に工夫が必要だったりします。

V350×車いすリフト
車いすの乗り降りにはリフトやスロープを降ろすスペースに加え、車いすで降りるスペースが必要ですから時には前向き駐車が必要となる場合があります。
実のところ、福祉車両に改造する前に駐車スペースの理解があると「リフト」か「スロープ」かの選択肢と、必要とすべき福祉装置の選択が消去法で決まっていきます。
福祉車両には車いす利用者が安全に乗降できる事に加え、介助者が安全に介助出来る事が合わさって福祉車両本来の意味を成す事になります。
その安全と意味の両立を私共は手掛けています。
是非ご相談ください。